公営住宅の「損害金」の請求|時効期間は5年?それとも10年?
市営住宅の「損害金」の催告の書面(受任通知・督促状)がブレインハート法律事務所から来ているとのことで時効援用のご依頼をいただきました。
◎借金の時効援用日記 令和4年2月6日【泉南行政書士事務所】
▼市営住宅など公営住宅の損害金の時効期間は?
ブレインハート法律事務所から送られてきた受任通知(督促状)には、住宅使用料0円、損害金約50万円、そして退去日が平成19年(15年前)となっていました。
市営住宅など、公営住宅の家賃などの賃料は基本的に民間の賃貸借契約と異なるところはない(最高裁判所判決:昭和59年12月13日)ので、民法が適用されます。
令和2年4月1日に改正民法が施行されましたので、令和2年3月31日より前に公営住宅の契約(入居許可等)をした場合、家賃や駐車場代に関しましては改正前の民法169条(定期給付債権の短期消滅時効)により、5年以上放置された場合は「消滅時効の援用」をすることで家賃や駐車場代は消滅しますので、今後請求をされることも、裁判を起こされたり給料の差し押さえなどのリスクも無くなります。
ところが今回は「住宅使用料0円、損害金約50万円」で請求が来ていました。
この「損害金」とは何か?そこで時効期間が異なってきます。
※令和2年3月31日以前の契約、入居の場合(改正前民法が適用される場合)をベースとした解説となります。
■退去費用等(一般債権:10年)
今回のお客様のお話では「退去費用(鍵の交換や放置した物の保管、廃棄および原状回復の費用)だと思う」とのことでした。
その場合、退去日から10年以上が経過していますので時効期間は満了していることになり、後は「時効援用」をすることで請求されている約50万円の債務は消滅するということになります(改正後民法では原則5年)。
■不退去等による家賃相当額(定期給付債権:5年)
「損害金」が、不退去(占拠)等による家賃相当額の請求であった場合、改正前民法の定期給付債権の短期消滅時効が適用されるのが相当なので、時効期間は5年となり、こちらも退去日から5年以上が経過していますので、後は時効援用をすることでこちらも消滅するということになります(改正後民法でも同じく原則5年)。
■不法行為による損害賠償請求(3年・20年)
不法行為による損害賠償請求の場合、損害と加害者の両方を知ったときから3年、損害や加害者を知らなかった場合は不法行為のときから20年で時効(除斥)となりますが、改正前民法(令和2年3月31日以前の契約)の場合は時効援用は不要(除斥期間の経過により勝手に消滅)となります(改正後民法の場合は時効援用をすることで消滅すると現時点では解釈されています)。
▼まとめ
長年放置された借金問題も、いつかは解決をさせないといけないときが来ます
解決の方法は、払うのか、時効援用をするのか、自己破産など法的整理をするのか?
借金の時効援用専門の泉南行政書士事務所では、相談は無料、追加費用は無しの安心価格、時効援用1案件26,400円(税込)で解決します。
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