時効の援用と返済の違い:遡及効・将来効とは?分かりやすく解説します!
借金を時効援用で消滅させた場合と返済した場合では、返済した方がきれいに解決できるに決まってる!なんて誤解していませんか?。法理論を知らない場合は時効援用をした方がいいのか返済をした方がいいのかよくわかりませんよね。皆様はメリット・デメリットを分かりやすく簡単に教えて欲しいと感じるのではないでしょうか。
今回は、遡及効と将来効についてお伝えします。分かりやすく解説しますので、理解したいという方は是非読み進めてみて下さい。
※平成32年3月以前の契約は改正前民法が適用されます。平成32年3月以前の契約を対象とした説明ですので、全て改正前民法での説明となっております。
改正後も時効と返済による遡及効と将来効については変更はございません。
▼時効期間
消費者金融や信販会社の借金であれば、
①5年以上払っていない
②5年以上債権者と話し合いをしていない
③10年以上裁判を起こされていなかった(判決などが出る前はまだ間に合います)
以上の条件が揃っていれば、時効期間は満了していますので、あとは【時効援用】をすることで借金は消滅します。
▼遡及効?将来効とは?
いつ、債務(借金)が消滅したのか?その時期が時効援用で借金を消した場合と借金を返済して終わらせた場合とで法技術上異なってきます。
時効の場合は遡及効、返済の場合は将来効となります。
■時効の効力:遡及効
改正前民法144条:時効の効力はその起算日にさかのぼる。
■弁済(返済)の効果:将来効
改正前民法492条:債務者は、弁済の提供の時から、債務の不履行によって生ずべき一切の責任を免れる。
■時効援用をした場合は5年以上前に遡って借金が消滅?
少し噛み砕いた表現で説明いたしますと、時効援用をした場合は5年以上前の時効期間の起算日から借金は消滅していたことになり、返済の場合は完済した時点で借金が消滅したことになるということです。
▼信用情報(俗にいうブラックリスト)を早くきれいにさせたい方は
民法の将来効と遡及効だけで考えると、5年以上前から借金が消滅していたことになる時効援用の方が返済より早く消滅することになります。
ただ、実務上は民法以外の要素も複雑に絡んできますのでケースバイケースではありますが、少なくとも返済よりは時効援用の方が信用情報がきれいになるのが早いか同じとなります。
▼まとめ
将来効と遡及効の理論上の違いはご理解いただけましたでしょうか?
ただ、実務では民法以外の要素もありますので専門家に検証してもらった方がいいのですが、それでも返済よりは時効援用の方が信用情報が早くきれいになることはあっても遅くなることはございませんのでご安心くださいませ。
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