借金の時効援用における【既判力】とは?確定判決(訴訟)と仮執行宣言付支払督促の違いを優しく解説します!
確定判決には【既判力】があります。既判力とは、訴訟で判決が確定すると、当事者は判決内容に反する主張ができず、裁判所もこれに反する判決ができなくなる効力のことをいいます。
今回は、借金の時効援用の実務レベルでの既判力についてお伝えします。既判力のある訴訟の他に、既判力の無い仮執行宣言付支払督促についてもお伝えしますので是非最後まで読み進めて下さい。
▼既判力とは
先述のとおりですが、簡単に言うと『一度決まったことは蒸し返すことができない効力』といった感じです。
つまり、時効期間が完成した後に「借金を返しなさい」という判決が確定すると、後から「時効期間が完成していたので借金は消滅していた」と主張することができなくなります。
▼既判力が無い場合は?
■仮執行宣言付支払督促が確定しても既判力は認められません
仮執行宣言付支払督促が確定すると、確定判決と同一の効力(時効中断効、時効期間が10年になる、執行力など)が認められます...と言われると一般の方は「既判力もある」と勘違いしがちですが、支払督促は裁判官ではなく、裁判所の職員(書記官)のみで行われる手続であり、事実認定や法的判断ができないので、異議申立てがなかった場合は何も審理することなく確定します(異議申立てがあった場合は原則として訴訟に移行します)。
つまり、仮執行宣言付支払督促が確定した案件はそもそも『審理も判断もない』ので、既判力の有無以前の問題かもしれませんが、既判力は認められないと解釈されています。
■時効期間経過後に支払督促が確定した場合は時効援用ができる?
確定判決の事例とは異なり、仮執行宣言付支払督促が確定しても既判力は認められませんので、時効期間経過後に申立てられた仮執行宣言付支払督促が確定しても、確定前に完成した時効を援用することで借金は時効消滅します(宮崎地方裁判所判決:令和2年10月21日)。
▼まとめ
今回は、借金の時効援用の実務レベルの既判力についてお伝えしました。判決で決まったことは後から蒸し返すことはできないのが既判力です。
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